第2章 グレイscene3
気に入らない。
Wink Upをテーブル投げ出すと、ソファにごろりと寝転がった。
「ちょっ…ニノなんだよ…あっぶね…」
テーブルにコーヒーを置いていた翔さんにぶつぶつ言われたけど、謝る気にもならなかった。
顔を手で覆って、こんな表情してるの誰にも見せない。
遠くから、あの人が笑う声が聞こえる。
相葉さんとなんかフザケてるみたい。
その笑い声が、また気に入らない。
「もうっ…」
無理やりソファの背もたれに身体を向けて、目を閉じる。
「ニノー…マジ寝すんなよ?もうそろそろメイク入らないといけないんだから…」
潤の声にも返事をする気にもならなかった。
これから本番なのに…
しかもよりによって、ゲストはあの娘…
前に大野さんが、VTRで鼻の下伸ばしまくってたあの子。
今回のドラマの相手役…
大野さん初めてのラブの相手役…
「もおおおおおっ!」
気に入らないっ…気に入らないっ…
『二ノ、WUの取材時間があと1分だって。ヤベーよ、ヤベーよ、終わっちゃうよ。コメント言えねーよー。ニノ、あと30秒だってー(笑)。ヤバイよ、ニノへのメッセージまにあわねーよ。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1。あぁーーーーーーーーー!!』
なによ…この伝言板。
ラブの一欠片もないじゃない。
あんなに俺に愛を囁いていたのに、久しぶりの伝言がこれなわけ…?
酷くない?
俺は伝言板があるって聞いた時から、愛の言葉待ってたのに…
なのに…なんで…なんで…?
酷いよ…
乱暴に楽屋のドアを閉めて、俺は一人でメイクに向かった。
涙がぽろりと頬を流れていった。