• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第8章 華落 3


桜の季節がやってきた。


この時期、花が一斉に溢れる。


華道の世界も春は活気づく。


春の花展に向けて、生徒さんたちにも熱が入る。


今は、一年中いろんな花が流通しているけど、やっぱり春は花の種類が増えて…


僕は素朴な野草が好きで、道端にぽつんと咲いている野草を摘んで帰ることもある。


そんな僕をみて、先生は微笑んでいる。


最近、僕と先生は一緒に暮らすようになった。


あれからやっぱり、僕と先生の距離は変わらないけど…


僕が言った言葉を、先生は受け止めてくれたように思う。


僕は…それを信じようと思った。


それしか、できない。


先生が闇をさらけ出せるほど、僕が信じていくしかない。


僕が先生に、ついていけばいい。


それは、僕にしかできないことだと思った。


僕にだけ、できることなんだ…


先生と…ひとつになる





「潤…鋏がない」


「え?」


教室が終わって、先生のお道具を片付けている時だった。


「花鋏、一個足りない…」


「あ、探しますね…」


生徒さんの席を探してみたけど、どこにもなくて。


先生のお道具を確認したら、一番細い花鋏がなくなっていた。
/ 771ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp