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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第60章 モノの子scene3


子鬼たちが急に黙った。


耳を済ませると、洞窟の外に気配がした。


「みんな、隠れてて…」


そっと出口に駆け寄る。


洞窟から顔を出すと、朝日がまともに目に刺さった。


目がくらんでなにも見えない。


急にドサリと身体の上に何か落ちてきた。


血の匂い…


「翔鬼っ…」


翔鬼がぼくの身体の上に倒れていた。


洞窟の出口を見ると、雅鬼の影が見えた。


「雅鬼っ…」


嬉しくて叫んだ。


でも…


雅鬼の影は、そのままゆっくりと前に倒れていった。


「雅鬼っ…」


翔鬼を寝かすと、雅鬼に駆け寄った。


雅鬼の頭からはすらりとした一本角が生えていた。


髪も薄い緑色に変わっていた。


「雅鬼っ…しっかりしてっ…」


抱き上げると、雅鬼の身体はびっしょり濡れていて…


血で着物が真っ赤に染まっていた。


「雅鬼っ…目を開けてっ…」


雅鬼はゆっくりと目を開けた。


とても綺麗な薄い緑色の瞳…


「雅鬼…大人のモノになったんだね…」


雅鬼はうっすらと微笑んだ。


そしてぼくの頬を手で包んだ。


「和鬼…好きだったよ…」


手が、ぱたりと落ちた。




【つづく】
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