第59章 モノの子scene2
「和鬼っ…大丈夫かっ…」
別の縦穴から翔鬼が飛び込んできた。
「あ…翔鬼…」
ぼくは翔鬼にしがみついた。
「こわかったっ…」
「和鬼…」
翔鬼はぼくをぎゅっと抱いてくれた。
「ごめんね…和鬼…」
優しく背中を撫で擦ってくれた。
「あっ…」
背中に焼けるような痛みが走った。
「どうした!?」
しゃがみこんでしまった俺を、翔鬼は抱き上げようとした。
「あっ…やめてっ…痛いっ…」
「和鬼っ…」
身体が…熱い…
翔鬼…助けて…助けて…
「しょ…き…」
「和鬼っ…」
なんとか手を伸ばすけど、身体が動かなくて…
「ああああああっ…」
身体が裂けるかと思った。
メリメリと内側から音がする。
痛いよ…熱いよ…
助けて…翔鬼…
気がついたら辺りは真っ白で。
無数の鬼火が瞬いていた。
きれい…
身体が熱い…
でもさっきの痛みはなかった。
翔鬼がぼくの前で呆然と佇んでいる。
「どうした…」
声が…違う…
いつものぼくの声じゃない…
「和鬼…」
翔鬼がぼくの前に跪いた。
「修羅っ…待っていました…」
手が…細い…
足がもっと細くなってた…
ぼくの身体は、女になってた。