第52章 ラズベリーscene4.5 その4
雅紀はにぃの部屋の外に来てた。
にぃのスマホを使って俺が呼んだ。
にぃに抱かれながら、外の音に耳を澄ませてた。
誰かが部屋に入ってくる気配がした。
雅紀だ。
俺は嬌声を上げた。
雅紀に聞こえるように。
にぃが男を抱いてるとわかるように。
「松岡くん…もっとぉ…」
甘い声に、にぃの動きに力が入った。
すぐに部屋の外にあった気配は消えた。
にぃに責め立てられて、俺も突き上げてきた。
でも、全然気持ちよくない。
白濁を出すと、すぐにベッドを抜けだした。
「にぃ…ごめん。忘れて…」
そう言い残して、部屋を出た。
身体に当たる風が冷たかった。
無性に誰かに温めて欲しかった。
潤…会いたい…
雅紀…今、泣いてる…?
ごめんね…二人とも…
でも。
あとちょっとだからね。
もうちょっとで、幸せになれるよ…
ぎゅっと自分の身体を抱いた。
手に入れる。
俺は、全部手に入れてやるんだから…
ぎゅっと手を握ると、俺は歩き出した。
今日はうちに帰ろう。
こんな汚れた身体じゃ、潤には会えないや。
背筋を伸ばして歩いていたら、少し気分が晴れた。
帰ろう。
家へ。
【つづく】