第44章 哀婉scene8
「智!お客!どうする!?」
王さんがドアから顔を出す。
「今日…も、無理って言ったろ…?」
「わかてる。確認しただけ…」
「誰がきたの…?」
「二宮さんね」
「…あ…」
「どする?」
「入れて…」
「わかった」
王さんが引っ込むと、カウチから気怠い身体を引き起こした。
さっきの客…
俺のこと、売女売女って言って、傷めつけて…
体中、痣だらけになってた。
唇も切れてる。
ぶん殴られたから…
痛む身体を引きずって、ドアの前に立つとドアが開けられた。
「あ…」
和也が、戸惑った表情で立っていた。
「あ、いらっしゃい…」
「どうしたの…それ…」
「ん…客にやられたんだ…」
「智…」
「ごめんね…だからさ、今日はお茶だけ飲んでいってよ?ね?」
「いいよ…寝てなよ…そんな辛そうなのに…」
「いいの。せっかく来てくれたのに…ごめんね…?」
「智…」
俺は和也の手を引いて、部屋へあがった。
足がもつれて上手くあるけなかった。
和也は俺の横に立つと、肩に手を回して俺を支えてくれた。
部屋にはいると、俺をソファに座らせた。