第43章 哀婉scene7
「今だけ愛せって……バカにしてんのか…」
そう言いながら、潤の瞳は潤んでて…
「あの金で愛せる限り、愛してやるから…」
俺を引き寄せると、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「潤…いいの…?」
「いい…お前のこと、好きだから…」
「潤っ…」
広い胸板に顔を押し付けた。
「ごめんね…ごめんね…」
「謝るなよ…いいから…」
そっと潤の上着が、俺の肩にかけられた。
「話、しようか…」
ソファに腰掛けた潤の膝の上。
ずっとなんでもない話をした。
昨日のお天気の話とか…
潤は笑うと、少年みたいな顔をする。
普段は頑張って大人の顔してるけど、仮面をとってしまったら子供と一緒だ。
話疲れると、沈黙が訪れた。
潤が俺を引き寄せるから、胸に凭れた。
トクンとなる心臓の音を、ずっと聞いていた。
そのまま、潤の腕に抱かれて眠った。
朝がきて、目が覚めるとまだ潤は俺を抱いていた。
「潤…」
「俺、待ってるから…」
「え…?」
「お前のこと、ずっと待ってる」
そう言うと唇に触れた。
「だから…今は、このまま…」
ソファに倒れ込みながら、あの金平糖の瓶はどこへやったかと、俺は思った。
【つづく】