第41章 哀婉scene5
ころりと俺の手から、瓶が転げ落ちる。
中の金平糖がカラカラと音を立てる。
ベッドで寝転びながら、俺はその小瓶を見つめてる。
「…嘘つき…」
また来ると言ったのに。
あれから半年、来ない。
じっと小瓶を見つめていると、はっとする。
「なにやってんだ…俺…」
もう誰も待たないって決めたのに…
もう誰も好きにならないって決めたのに…
ぎゅっと身体を抱え込んだ。
寒さが身に沁みる。
こんな時は、誰でもいいから抱いて欲しい。
誰でもいい。
俺にぬくもりを…
小瓶を持つと、胸に引き寄せる。
これだけは…
中身が少なくなったから、音が透き通ってる。
カラカラ…
空っぽな俺の心臓の音。
蓋を開けて、一粒口に放り込んだ。
ぽっかりと空いた穴に、金平糖の甘さが凍みた。
「もう、こない…」
きっとキミはこないんだね…
日本で、いい人でもできたかな。
そう。
俺みたいな男、似合わない。
それでも好きだって言ってくれたキミが…
俺は好きだったのかもしれない。
ガリっと金平糖を噛む。
甘い、甘い。
幻想。