第39章 哀婉scene3
結局、その晩俺は智に抱かれた。
3日の間、抱いたり抱かれたり。
3日目の朝、帰りにみた朝日が眩しかった。
智と離れたくなかった。
でも俺が買ったのは3日間で…
金を持ってこないと、これ以上は一緒にいられなかった。
ゆるやかな罰を受けたようだった。
たった3日で、俺は智に惚れた。
もうこの人以外考えられない。
だって、今まで出会った中で最高の人だから…
フラフラする足取りで、家路につく。
「智…待ってて…すぐ来るから…」
一晩で、俺の運命は変わってしまった。
男に惚れるなんて…
まったくわからないもんだ。
世の中、捨てたもんじゃない。
にやっと笑って、思考を巡らせる。
とにかく、金を稼ごう。
あそこから智を身請けするんだ。
あんなところから出して、俺と暮らそう。
二人で日本に帰ろう。
「上海…か…」
朝日が当たる上海の街を見上げる。
どこからか、朝食のにおいが漂っている。
そういえば、この3日ろくなものを食っていない。
近くの食堂に飛び込んで腹ごしらえをした。
店から出ると、背伸びをした。
「よし。がんばろ…」
こんな気持ち、初めてだった。
これを人は、初恋というのだろうか。
【つづく】