• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第17章 海鳴り


海鳥の鳴く声がする。


海辺の民宿に俺は居た。


死のうと思ってた。


社会人になって15年目。


会社で大きなミスを犯した。


それはほんの些細な事だった。


桁が一個、ずれていた。


営業にとって、命の見積。


エクセルの操作を誤ったんだと思う。


最終的なチェックも、見落として居たんだと思う。


大きな入札の案件だった。


その一桁のミスのせいで、会社は入札停止処分に追い込まれた。


その案件は大きな金が動くもので、会社の半期の売上に大きく影響した。


実はほとんど決まっていたようなものだった。


法令違反なのは、重々承知。


だが、どこの会社でもやってることで。


なのに、俺が見積の桁を一個間違えたせいで、全てが水泡に帰した。


入札停止処分を受けたおかげで、今期はそれを取り返すこともできなくなった。


上司から叱責を受け、俺は部署を移動することになった。


今までの実績を考慮して、クビにはならなかった。


しかし、移った部署は昼行灯みたいなのが集まってる部署で…


仕事という仕事はない。


それに、俺の頭は思考停止状態で、ちっとも働かないし。


日がな一日、ぼけっと窓際に座ってビルの外を眺めてる。


なんの意味があるんだ。


なんで俺はここに居るんだ。


なんで…


俺は生きてるんだ。

/ 771ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp