第15章 悪徳の花 4
「聞いた?翔先生と二宮副医院長…」
「ね、なんか海外行っちゃうんだって?」
「らしいね。折角副医院長になったばっかりだったのに…」
「でも経営には参加するみたいだよ?」
「えっ…そんなことできるの?」
「ネットとか使うんじゃない?室長だったんだから…」
「ああ…そういうことね」
従業員廊下で看護師たちが噂してる。
上手くやったなぁ…二宮さんったら…
「相葉室長」
振り向くと、松本経理部長が立っていた。
「あ、お疲れ様です」
「どうです?秘書室の騒ぎは」
「ああ、もうね…副医院長が二人も居なくなるから大騒ぎですよ…」
「…後任については、なんか聴こえてきてないの?秘書室には」
「…ここだけの話…二宮副医院長がご指名していくみたいですよ」
「ふーん…実質経営権、あの人が握ってるんじゃん…」
「凄いよねえ…まだ30代なのに」
ちょっと脅してやろうと思って、写真たくさん送ったのになぁ…
全然おもしろくない。
「相葉室長さ…」
「はい?」
「面白い話あるけど、乗らない?」
「…どんな話?」
俺は、にやりと笑うと松本部長に歩み寄った。
二宮副医院長。
俺、あなたのやってたこと、全部知っていました。
あなたのかわりに悪徳の花、咲かせましょうか。
いや…
咲かせてやるよ。
【終わり】