第15章 悪徳の花 4
あと、一歩…
それはまだ出せない。
それまでは、地盤を固めていかなければならない。
この人事の刷新で、一応の基盤はできた。
後は、俺の部下から上がってくる情報をどう使うか。
10年後、俺たちがこの病院を手中にできるよう、どう動けるかだ。
俺の目的は、この病院を手に入れること。
そして、翔を永遠に手に入れること。
「和也…」
「ん…?」
翔がベッドから起き上がって、俺を振り返る。
「二人で海外でもいかない?」
「いいよ。来年でも行こうか」
「ううん…移住しない?」
「え…?」
「もう、仕事やめよう」
「なんでだよ…だって」
翔がベッドから降りて、カバンから書類を出す。
「これ…和也の検査結果」
「え…?」
それは血液検査から全ての数値が載っている表で。
「なんだよ…」
「肝硬変になりかけてる…」
「そんな…」
「このまま放っておくと、肝臓がんに移行する。今すぐ仕事をやめて、ゆっくりしよう」
「そんな…治療したら治るんだろ?」
「ここ数年飲んでいた薬が、効いてないんだ…ここ最近」
「なら薬を変えればいいだろ」
「和也…」