第15章 悪徳の花 4
「えっ…」
経理部長の息を飲む声がした。
「ですから、あなたにはコンピューター室が独立した際に、社長になっていただきます」
「なんで…私が…」
「おや、出世ですよ?お嫌ですか?」
「いえ…そんな…」
「こ、後任の者は…?」
「ああ。それならご心配なく。課長の松本くんがしっかり務めてくださいますから」
「えっ…松本が?」
「なにかご不満でも?」
経理部長は、懐からハンカチを取り出して額の汗を拭った。
そりゃそうだろうねえ…
今まで散々その立場利用して、病院の金、横領してきたんだもんな…
松本は、そんな経理部長のやっていることを、常に補佐していた。
こいつも相当のワルだと思うけど…
経理部長よりは扱いやすかった。
「あなたは…どうされるんですか…」
「私?私はコンピューター室から離れます」
「えっ?」
「大丈夫ですよ。心配しなくても、後のことは部下がちゃんとやってくれますから…」
「はあ…」
「私は、副医院長になります」
「えっ…」
経理部長がハンカチを落とした。
「翔先生と二人で、医院長を支えて行きたいと思ってるんですよ…」