第14章 悪徳の花 3
5年後―
「新しい理事に二宮室長を推薦いたします」
満場一致の拍手が、会議室に鳴った。
俺は立ちあがって、一礼する。
「ありがとうございます。まだ若輩者です。これから皆様のご指導を受け、職務に邁進いたします。どうぞよろしく…」
会議室の角に立つ、翔が目に入った。
「…お願い致します」
頭を下げると、また拍手が鳴り響いた。
「いやあ…30代の理事は初だよ…」
櫻井病院の医院長がイスに座りながら、感嘆する。
「恐れ入ります」
「いやいや…キミの実績だよ。文句なしだ」
俺が翔のパートナーであるということは、公然の事実で。
いつまでも結婚しない御曹司にみんなやきもきしていたけど、俺の存在がわかってからは、何も言う者もいなくなっていた。
加えて、俺は病院中の秘密を握っていた。
誰も、俺に逆らえない。
医院長ですら、ね。
浮気に不倫、汚職、贈賄…
病院には汚いものが溢れかえっていた。
脅しのネタには事欠かなかった。
それに、コンピューター室はかなり売上を叩き出していた。
病院用に開発したソフトが、飛ぶように売れたのだ。
カルテの管理から処方箋まで、一手に管理できるシステムを開発したのだ。
部下がやったことだけどね。
金は、経理部長がいくらでも予算を回してくれたから…
非常に助かったよ…