第23章 Sad Monster【ドリフターズ】

「ン…ゥ…」

ぐちぐちと生々しい音を発てて一物がの中へ埋まっていく様を凝視しながら、背筋を駆け上がる感覚に眉を顰める。

これは……不味い。

その具合の良さに、瞬殺されちまいそうだ。

引き摺り込まれそうな悦楽に何とか抗いの顔を見上げてみれば、俺同様に眉を顰め唇を噛み締めていた。

だが感じているものは同じでは無いだろうよ。


「……
　無理はしなくて良い。」

「だ…いじょう…ぶ……です……」

「お前ぇが辛いんじゃ意味がねえ。
　が平気な所迄で構わねえから。」

それでもは腰を沈め続け、遂には俺の一物を根元まで全て胎内に飲み込むと

「んッ…くぅッッ……」

悲痛に聞こえる呻きを吐き出し、大きく背中を反らせる。


「凄ぇな。
　全部入ってる。」

「土方殿……土方殿ぉ……」

掠れた声で俺の名を呼びながらの零す涙が腹に滴り

「辛ぇか？
　抜くか？」

気遣う言葉を掛けて両の親指で濡れた頬を拭った。

「んう……違…う…
　私……幸せで……」


こんな俺如きと繋がる行為が《幸福》だと涙を流すに、この女は向こうの世界でどれ程愛に餓えていたのかと胸を締め付けられる。

そんなに包まれている俺こそが《幸福》である筈なのに。

「泣くな。」

「んっ……んぅ…」

それでもまだの涙は止まらない。

「……来い。」

両腕を拡げて促してやると、は涙に濡れた顔をふにゃっと綻ばせて上体を倒し俺に覆い被さった。