第23章 Sad Monster【ドリフターズ】
「何か?
聞いたら?
あの娘っ子、島津の末裔だとか?
お前は《それ》を、どうするつもりだったのかにゃあ?
お豊(トヨ)への見せしめに嬲るつもりであったか?
散々に穿って、傷付けて、
泣き喚いても更にもっともっとと嬲り続けて……」
「止めろッッ!」
これは第六天魔王の策なのだと分かっている。
俺を怒らせて、本音を引き出そうとしているのだと。
分かってはいるが……
今、此処に居る男達の頭の中でが陵辱される姿を想像されるのが我慢ならない。
そして、してやったり顔の第六天魔王は容赦なく続けた。
「んー?
それとも、自分好みの女に仕立てようと?
自分以外は目に入れないようにして?
何それ?
お前、《光源氏》にでも為ったつもりかの?
あの娘っ子はお前の《紫の上》ってか?」
「………止めて…くれ…」
第六天魔王の末恐ろしさを痛感し、立ち尽くす俺を見遣った島津が腕を組んだまま鼻を鳴らす。
「はン!
今のお前(まあ)は、俺(おい)の敵では無か!!」