第23章 Sad Monster【ドリフターズ】
自分でもこの感情には驚きを隠せない。
何故だか俺は只、を護りたかった。
俺を慕う亜人(デミ)達の集落でを匿い、他の廃棄物(エンズ)らの目に触れない様にした。
にも俺以外の《人間》には決して関わり合うなと強く言い含めた。
日に一度は必ずの元へ出向き、語らう時間が待ち遠しい程だったのだ。
はで、頼れるものは他には居ないとばかりに俺に縋る。
《化物》に頼らなければならないが不憫ですらあったが、俺はそんなの存在にギリギリの所で救われていたのかもしれん。
そんなと過ごす毎日の中で、廃棄物(エンズ)の事、漂流者(ドリフ)の事、この世界の事……
丁寧に語って聞かせたが、どうしてもには理解不能な様子だ。
出会った当初から分かったつもりだった。
しかし、やはりは俺と同じ《化物》ではないのだな。
突き付けられた事実に落胆してみたり、安堵してみたり………
既に忘れかけていた感情が沸々と蘇って来る。
…………俺はまだ、戻れるのか?