第20章 グレイ scene2
嘘でしょ…
嘘って言ってよ…
ゲームが終わって、セットチェンジのため前室へ向かう。
フラフラと一番最後を歩く俺の前に、翔くんとニノが歩いていた。
不意に翔くんがニノの手を掴んで引き寄せた。
俺の目の前で、二人はキスをした。
そのまま二人でおでこを合わせてくすくす笑い合う。
手を繋いで角を曲がって行くのを、呆然と見送った。
嘘つき…
嘘つきは、地獄に落ちるんだよ…?
収録は、何をしたか覚えてない。
とにかく翔くんしか目に入ってなかった。
「潤…?どうしたの?」
訝しげに何度も言われたけど、俺は笑っていた。
だって、翔くんを地獄に落とさなきゃいけないから。
どうやって落としてやろう。
泣いても喚いても、地獄に落とさなきゃ…
だって嘘つきだから。
俺を騙したから。
全て終わって、共演者の皆さんに挨拶を済ませたら楽屋に引き上げる。
前室はもう使わないから、暫く無人になる。
俺は無言で翔くんの肩を掴んだ。
「え?」
にっこり笑って後ろを指差した。
「何?」
もう皆、楽屋に向かっていたので前室には俺達しか居なかった。
覗き込んだ翔くんの襟首を掴んで、床に引き倒した。