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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第20章 グレイ scene2


「翔ちゃん…こっち、向いて?」


びくりと肩が震えた。


「や、やだなあ。もう戻るから」


そう言って翔ちゃんは背を向けて歩き出した。


「待って!翔ちゃん!」


無理やりこちらを向かせた。


「やだっ…見るなっ…!」


慌てて顔を腕で隠したけど、翔ちゃんの目からは涙が溢れてるのがみえて。


胸にナイフで突き刺されたような痛みが走った。


「離せよっ…!触んなっ」


ばっと腕を解かれて、翔ちゃんは走っていった。


…翔ちゃん違う…


そんな顔、させたかったわけじゃない…


俺の決めたことを話した時、翔ちゃんは笑ってた。


家を出て行く俺を、微笑んで見送ってくれた。


わかったよって…


自分の思いをかみ殺しているのはわかってた。


我慢させているのもわかってた。


だけど、これが二人にとって最良の選択肢だと思ったから…


だから俺は翔ちゃんから離れたのに…


「翔ちゃんっ…!」


弾けるように駈け出した。


遠くに見えるその後姿を必死で追いかけた。


途中で俺に気づいて、翔ちゃんは楽屋とは違う方向に駈け出した。


「翔ちゃん!待って!」


足の速さじゃ敵わないってわかってるはずなのに、それでも翔ちゃんは逃げていく。


少しずつ近くなってくる背中。


ちょっとした森の中に逃げ込んだところをやっと捕まえた。


後ろからベンチコートを肩を掴んで抱きしめた。


荒い息を吐きながら、お互い暫くの間身動きが取れない。


「どういう…つもりだよ…」


翔ちゃんの声が怒ってる。
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