第20章 グレイ scene2
「翔ちゃん…ごめんね…」
「…もういいよ…わかったから離して…」
「俺、翔ちゃんにそんな顔させる為に別れたんじゃないんだ…」
「わかってる。雅紀は俺達の未来をちゃんと考えて…」
「やめた」
「え?」
「もう、いいよ。そんな未来」
「…何言って…」
「翔ちゃん泣かす位だったら、そんな未来、要らない」
「雅紀…」
「ごめん…翔ちゃん。俺、翔ちゃんのことずっと…愛してる…」
翔ちゃんが俺の顔をじっと見た。
「バカっ!」
耳がキーンとした。
「そんな簡単に変えるくらいなら、別れたりなんかするなよっ!」
ぽろぽろ涙をこぼしながら、俺の胸をドンと叩いた。
「俺がどんな思いで受け止めたか…」
「だって…翔ちゃん、泣かなかったじゃん…」
「え…?」
「別れようって行った時も、別れる時も、翔ちゃん泣かなかったもん…一回も嫌って言わなかった…」
そっと翔ちゃんを抱き寄せた。
「今日、初めて翔ちゃんが俺のせいで泣いてるの、見たんだもん…」
翔ちゃんの髪に顔を埋めた。
「…ごめんね…こんなに翔ちゃんの泣き顔みるのが、辛いことだなんて思わなかった…」
「雅紀…俺、別れたくなかったよ…」
「うん」
「ずっと傍に居たかったよ…」
「うん」
「離れたくなかったよお…」
翔ちゃんは俺の胸に顔を埋めて、ぎゅっと抱きついてきた。
ああ…翔ちゃんだ…
暫くぎゅうっと抱きしめた。
翔ちゃんの泣き声が小さくなる頃、顎を持って顔を引き上げた。
強引に唇を塞ぐと、甘い吐息が聞こえた。
「続きは、今晩のホテルね?」
「ば、ばかっ!」
二人で手を繋ぎながら楽屋に戻ったら、メンバーに相当手ひどくからかわれたのは、言うまでもない。
櫻井翔さん、僕はあなたを一生しあわせにします。
だからあなたは、ずっと微笑んでいてください。
愛してた…そしてこれからも愛してる…
【END】