第14章 檸檬
「ふざけんなよ!なんで何にも言わねえんだよ!」
「雅紀、落ち着けよ…」
「翔ちゃんもだよ!なんで一人で黙ってんのさ!俺は、お前らのなんなの?」
相葉さんがシートを殴った。
「相葉さんには…カズヤについてて欲しかったんだ…」
殴られた頬を押さえながら。
でもこれだけは言わなきゃと、歯を食いしばった。
「え?」
「相葉さんまで内藤探し始めたら…誰がカズヤの隣にいるのよ…翔さんは長期ロケだって言うし…」
相葉さんが黙った。
「アイツを今、一人にするわけにいかないじゃん…?」
また、車内に沈黙が流れた。
そのまま車は、自宅の方向に向かってた。
「…殴って、ごめん…」
「ううん…大丈夫だから…」
相葉さんが俺のこと心底心配してくれたのも、わかったから…
「俺の方こそ、単独行動してごめん…ママさんが居たから大丈夫って思ってたから…」
「あの大男が、ママさんなんだ…っていうか、あの人どうしてあそこに居たんだよ」
「俺のボディーガードしてくれたの…柔道やってるんだ。いくらなんでも、俺一人じゃ、囮は無理だよ…」
「なんだ…そうだったんだ…」
相葉さんが上を向いたまま、安心したように呟いた。
「ママさん、相葉さんのすっごいファンなんだって…」
「えっ!?」
「…よかったな。雅紀」
翔さんが笑いを堪えながら言った。
「ちょー…微妙な話すんなよ…」
そう言って、相葉さんは少し笑った。