第14章 檸檬
その時、事務所の扉が開く音がした。
「すいませーん…」
パーテーションの向こう側で、聞き覚えのある声がした。
「相葉さん!」
「よ。あ、どうも…」
相葉さんは近藤先生に向かって頭を下げた。
「翔ちゃん…?」
不思議そうな顔をしながら、事務所に居並ぶ面々の顔を見ている。
「カズヤは送ってったよ?えっと…で、これは一体なんの集まり…?」
ママさんがソファの上で硬直してる。
ぶふっと笑いがこみ上げた。
凄いシリアスなシーンなのに、堪えきれなかった。
「は?え?何笑ってんだよ!和!」
相葉さんの焦ってる姿がおかしくて…
ほんと、この人存在が太陽みたいな人だよな…
場の空気が一変した。
翔さんもさっきよりも柔らかい空気になった。
近藤先生は声を出して笑ってる。
「まあまあ、相葉マナブさん、どうぞ座って…」
「先生。相葉マナブは番組名であって、彼の名前ではありません」
翔さんが冷静に訂正する。
先生はホッホッホと声を上げて笑った。
「そいつは失礼した」
まだ笑ってる。
相葉さんは俺の隣に座った。
ママさんはまだ固まってる。
だめだ。笑い止らない。