第14章 檸檬
回りに集まったギャラリーに向かって、テレビ撮影のご協力ありがとうございますーって声を掛けた。
皆さん、納得して散っていった。
芸能人って…ある意味便利だね…
そのままママさんが内藤の身体を肩に担ぎあげると、スタスタと歩き出した。
「あの…つかぬことを聞きますが…」
「ええ」
「まだ柔道のお稽古はされてるんですか?」
「いやだぁ…週1だけね?」
そう言って照れまくってる。
そこ、照れるとこなの…?
翔さんの車の後部座席に内藤を放り込むと、すぐにママさんが乗って抑えこんだ。
俺はすぐに助手席に乗ると、翔さんは車を発進させた。
「翔さん…どこいくの?」
「まあ、後で…」
そのまま車は新宿に向かった。
新宿に入ると、内藤が暴れだした。
「おい…どういうつもりだよ…」
「いいから大人しくしてろよ…」
翔さんはいらっとしながらハンドルを握ってる。
「あのさ…俺、まだ死にたくないからちょっと大人しくしてて?」
「はあ?」
「翔さん、キレると見境なくなるから…」
そういうと、内藤はうんざりした顔をして黙りこんだ。
ママさんがくっくと笑う声だけが車内に響いた。