第14章 檸檬
いきなり衝撃が来た。
とっさに庇ったから、顔面は守れたけど、そのまま道路に倒れこんだ。
「ふざけるな…」
俺に馬乗りになると、また殴ろうとする。
顔を庇っていたら、今度は腹を殴られた。
「ぐうっ…」
「カズヤは俺のもんだあああっ」
突然、身体の上の体重が軽くなった。
「あ…?」
「ごめんなさい…遅くなって」
そこには大柄な男が立っていた。
内藤はその人の腕に捕まってもがいている。
「内藤さん…大人しくしなよ…」
サングラスを取ると、その男は内藤をぶん殴った。
「てめえ…恩義忘れやがって…」
「まっ…ママっ…」
この日、ママさんにボディガードを依頼しといた。
「ニノ…顔、大丈夫?」
「なんとか…セーフです」
黒のダウンジャケットにニット帽、ジーパン姿のママさんは、男そのもので。
化粧もしていないから、同一人物か疑う程だった。
「ここじゃなんだから…場所変えましょうか…」
そう言った途端、道を挟んだ向かい側から人が走ってきた。
「ニノっ…」
「翔さんっ…!?」
「お前なにしてんだ!?」