第14章 檸檬
「えっ…今度は翔ちゃんなの!?」
大柄なママは、相変わらずの筋肉質な腕で顔覆って後ろに倒れた。
「ママっ…」
ボーイが慌てて後ろから支えるが、ママよりも細いから支えきれない。
慌てて翔さんが、ママの腕を掴んだ。
「大丈夫ですか?」
王子様スマイルでた…
ママは今度こそボーイを潰して床に倒れ込んだ。
「な、何のご用でしょうか…」
なんとか体勢を立てなおして、また隣の店に連れていかれた。
今度はポケットから鍵を出した。
「ママさん、ここ買ったの?」
「あ、ええ…今度、この壁ぶちぬいて、店を広げようと思ってるんです。どうせロクに営業してやしなかったから。今度はショーもできるようにしたいの」
べらべらとまくし立てられた。
「は、はあ…」
翔さんは涼し気な顔で聞いている。
そうだよな…翔子だったもんな…
「ママさん、いいですか?」
「あ、ごめんなさい…べらべらと…」
客商売をしている人は話が早い。
「カズヤのことですね?」
「はい…あれからご無沙汰してすいませんでした。彼は元気にしています」
「あの…まさ…相葉ちゃんは…?」
くすっと笑いが漏れた。
この人、相葉さんのファンなんだろうな…
「相葉さんの元で、暮らしています」
ママさんがきゅうーんとした気がした。