第14章 檸檬
気がついたら、カズヤを強く抱きしめていた。
カズヤは静かに涙を流しながら、俺にしがみついている。
「カズヤ…よく言ってくれたね…」
「にーの…ごめんね…」
「いいんだよ…カズヤが悪いことなんて、ちっともないんだからね…?」
「でもっ…俺がやってきたことだし…!」
「いいから…」
カズヤの身体を起こすと、じっと顔を見つめた。
「俺に、甘えろよ…」
「え…?」
「俺達に甘えろよ…なんのための家族なんだよ。俺たちは、お前の家族なんだよ?」
「にーの…」
「お前はうちの子供なんだ。だから皆に甘えていいんだよ…」
「にーのぉ…」
カズヤがぎゅっと俺に抱きついてきて…その温もりに、安心した。
カズヤ…
大丈夫だよ。
きっと俺たちでなんとかするから。
背中を擦りながら、打つ手を考えた。
相手は、俺達の情報を握っている。
カズヤの反応で、多分確信したんだろう。
どうやって接触するか、どうやって黙らせるか。
カズヤが幸せになるために。
できること。
それは俺達が幸せになるためでもある。
「カズヤ…寝ようか…」
二階の寝室に、二人で入った。
腕枕をしてやると、カズヤはすとんと眠った。
何もかも、俺に預けて。