第14章 檸檬
洗濯物を干していると、カズヤが部屋から出てきた。
「おはよ」
「おはよう…」
サンルームは陽の光が差し込んで、ぽかぽかと温かい。
壁際に置いてるクッションを手に取ると、カズヤはそこに座り込んだ。
「カズヤ…」
「ん…」
魂の抜けたような顔で、窓の外を見ている。
天窓から差し込む陽の光が、カズヤの栗色の髪をきらきら弾いていた。
「…パパと会ったの?」
「え…?」
顔色が変わった。
「内藤さんって人と、会ったんだね」
「なんで…」
「わかるよ…何年お前と一緒にいると思ってるんだよ…」
「にーの…」
カズヤの顔が緊張で引き攣った。
「だって…お前は俺の子供なんだろ…?」
「にーの…」
「親は子供のこと、ずっと見てるんだよ?」
瞬間、カズヤの身体が前のめりに倒れて、クッションに顔を埋めて泣きだした。
声を上げて泣いた。
そっと背中に手をあてて、嗚咽が収まるのを待った。
カズヤの手が、俺の腿に伸びてシャツの裾を掴んだ。
ギュッと握って、カズヤは泣き続けた。
「にーの…」
「ん…?」
「俺…パパに会った…」