第14章 檸檬
大学で天文学を学んでいるから、天気なんてお手の物…
でも、カズヤ先生の予報は全然当たらなかった。
山梨に入る頃には土砂降りになってた。
「カズヤ?なにこれ」
微笑みながら聞くと、助手席のカズヤは小さくなってる。
「知らない…」
「お前が大丈夫って言ったんだろぉ!?」
「だあってええ!天気図は大丈夫だったもん!」
「いつの天気図見たんだよ!」
「えっ!?」
カズヤはリュックから紙を取り出した。
「一昨日のだ…」
あからさまにショックを受けている。
「ぶっ…」
思わず吹き出すと、笑いがとまらなくなる。
「お前…昨日も大学行ってんだろ…なんで…よりによって一昨日なんだよ…」
「わ、わかんな…」
涙目になって天気図を見ている。
「俺、気象学なんてまだやってないから…先輩に貰ったの…」
しょぼーんとしてしまったから、髪をくしゃっと撫でた。
「いいよ…星、見えないかも知れないけど、ドライブ楽しもうよ」
「にーの…」
俺のあげた革ジャンをしっかりと着こなしてる。
いつのまに、こんな着こなしができるようになったのかな。
栗色に染めた髪。
頭を俺の肩に凭れかけてきた。