第14章 檸檬
「にーのは…優しいね…」
「そう?俺だってお前に腕ひしぎ決めるときは決めるよ?」
「あれはマジで痛いからヤメテ」
くすくす笑うと、俺の腿に手を置いた。
「ありがとう…にーの…」
くすぐったくなるくらい、まっすぐな言い方だった。
「お前…死んじゃうみたいだからやめなさい」
「ええっ!?日頃の感謝を素直に伝えてるのに!」
カズヤが顔を上げて、目が合うと二人で笑い出した。
「こっちこそ、ありがとうな。カズヤ…」
「え?」
「お前が居なかったら、翔さんと相葉さんと…こういう風にはなれてなかったかもな…」
「にーの…」
「お前が居てくれたから、俺達はお互いの気持ちを確認することができたんだと思う」
「うん…」
「お前のお陰だよ…今、とっても幸せだ」
「にーの…」
カズヤが黙りこんだ。
そっと窺い見ると、目から大粒の涙をこぼしていた。
「かっ…カズヤ!?」
慌てて車を路肩に止めると、後部座席からティッシュを取った。
「どうしたんだよ…ホラ…」
ティッシュを渡しても、カズヤの涙はほろほろほろほろ止まらない。
「だあってえええ…」
遂に、号泣してしまった。