第14章 檸檬
「こらーーー!カズヤーーー!」
バタバタとリビングを走り回る音がする。
「またかよ…もう…」
目玉焼きを作りながら、リビングを見ると、カズヤは腕ひしぎ十字固めを決められていた。
翔さんの足を叩いて、必死にタップしているが、審判はいないから、誰もとめない。
「翔さん、程々にしないと腕の腱切れるからねー」
「わかってるよー」
「やめてええええしょおおおお」
「オラ、反省するか?カズヤ」
「ごめんなさいいい~もうしません~」
カズヤが泣きそうな声を上げると、リビングの扉が開いた。
「おはよ~…またやってんの?」
「雅紀ぃ助けて~」
「今度はなにやったの?」
「コイツ、俺の部屋入ってデッキにエロDVD仕込んだんだ」
「えっ…女の?」
「そう、女の」
お蔭で昨日、翔さんの部屋でいい雰囲気になっていた俺たちだったけど…
綺麗な風景のDVDが、途中からどぎついAVに変わって。
つい俺は、翔さんをひっぱたいてしまったのだ。
「あんな細工までしやがって…お前はいつあんなものを作ったんだ!」
ぎりっとカズヤの腕を捻り上げる。