第12章 退紅(あらそめ)scene2
次の朝、起きてみると智くんがいない。
またかと溜息をついて、家中探す。
客間のクローゼットに、智くんは居た。
膝を抱えて、熟睡していた。
寝顔を見つめながら、少し背筋が寒くなった。
こんなスキャンダルでここまで打ちのめされるのなら…
アイツのことがわかったとき。
一体どうなってしまうんだろう…
そっと身体を抱え上げて、客間のベッドに寝かす。
布団を掛けると、自分も潜り込んだ。
今日はオフだ。
とことん智くんに付きあおう。
「翔…」
智くんのか細い声で目が覚めた。
「ごめんね…」
また謝ってるよ…
「守れなくてごめんね…」
目を開いた。
泣きそうな顔の智くんが、俺の顔を覗き込んでいた。
「あ…起きた?」
少しだけ影のある笑い。
「朝ごはん、作るよ…」
そう言って客間を出て行った。
残された俺は、客間のベッドで暫く呆然とした。
智くん…俺のこと守ってくれてた…?
そういえば…
アヤのことだって、俺が手を出そうとした時…
横からかっさらっていったのは…
智くんだった。
守られてたのは…俺…?