第12章 退紅(あらそめ)scene2
それでも事務所が、必要最小限に抑えると約束してくれた通り、俺達に直接なにかがあるということはなく。
世間でどう騒がれてるかは、あえて耳に入れなかった。
俺たちは完全に隔絶されたガラパゴスにいるようだった。
家に帰ると、智くんは膝を抱えてソファで丸くなる。
「智くん…お風呂入っちゃいな…」
「うん…」
やっぱり智くんは後悔の海を漂ってる。
俺に気持ちがありながら、持て余して女に走る気持ちはよくわかる。
俺もそうだったから…
智くんに恋い焦がれて。
でも叶うわけのない願いで。
そんな思いを抱えたまま、若い俺だって暴走した時期があった。
「智くん…一緒に入ろうか…」
「え…?」
手をひいて風呂に向かった。
「翔くん…」
「大丈夫。ぬるくしてあるから」
智くんの服を脱がせた。
俺にされるがままの智くんが、とてもかわいかった。
ぷっと思わず笑ってしまって。
「何笑ってんだよ…」
ぷうっと頬を膨らませて、横を向いてしまった。
「智くん…かわいい…」
抱きしめると、剥き出しの素肌から伝わる熱が一段あがった。