第12章 退紅(あらそめ)scene2
「リーダー今日は、事務所の車?送ろうか?」
収録が終わって、帰り支度をしていると潤が智くんに話しかけた。
「ううん。今日は翔くん」
「あ、翔くんに乗るの?」
ぶふぉっとコーヒーを噴き出した。
「うわっ…きったね!」
「すまん…」
テーブルに零れたコーヒーを拭いた。
「翔くんには乗らないな…」
智くんが笑ってる。
「あ、俺なんか言い方間違えた?」
潤が本気になって焦ってる。
「すっごい間違えてる」
後ろからニノにも突っ込まれてる。
「ごめん…翔くん…」
一緒になってコーヒーを拭いてくれた。
「…いいから…潤…」
恥ずかしくなってやめさせた。
「翔くんが俺に乗るけどね?」
一瞬の静寂が楽屋に訪れた。
「「「「ええええええー!?」」」」
「ったく…なんで言うんだよ…」
「いいじゃん…もう何年経つと思ってるの…」
くすくす笑いながら、助手席に深く腰掛ける。
「そろそろ言わないといけないかなって思ってたんだよ」
とても楽しそうに、智くんは笑う。
「なんで…?今なの…?」
「ん…あのね…」
智くんは微笑みながら、ハンドルを持つ俺の手を握った。
「翔が…鍵をくれたから…」