第5章 レイヴンscene2
酸欠になるかと思うほど走った。
翔の部屋の合鍵はもったままだったから、部屋に入った。
翔は一人で居た。
「え…?」
ベッドの中で、一人、泣いてた。
「翔…なにしてんの…?」
ベッドに座ると、髪を撫でた。
「なんで…」
「ばか…あんな嘘、すぐわかるよ」
翔の顔が歪んだかと思うと、枕に突っ伏した。
「かっ…帰れっ…!潤のとこ、行けよっ…」
「その潤から、ここに来いって言われたんだけど…俺、どこいきゃいいのさ…」
「え…?」
翔が、涙だらけの顔を上げた。
「潤が、翔のところに帰れっていったんだ…」
「うそ…」
「嘘じゃないよ…」
俺は翔の頬を両手で包んだ。
「翔…ごめんね。俺のせいで…」
「やめて…」
「俺がはっきりしなかったから、こんなことしたんだよね…」
「ちがうっ…」
「俺は、翔を愛してるよ」
「違うっ…雅紀が本当に愛してるのは、潤だろ!?」
「翔…愛してるよ…」
そっと唇を重ねる。
「離して…」
「ごめんね。翔…」
「やだ…」
「ごめん…潤も、愛してる…」
「……」
翔が顔を上げた。
まっすぐに俺を見つめた。
「うん…わかってる…」