第5章 レイヴンscene2
「翔さんっ…ちょっとっ…」
ニノが俺の後を、転びそうになりながらついてくる。
病院から出ると、俺の手を振り払った。
「なにしてんだよ…アンタ…」
「ごめん…」
ニノの顔が見られなかった。
「ごめん…」
涙が溢れた。
「バカ…バカだよアンタ…」
ニノがそっと俺を抱きしめた。
「身を引こうとしてんだな…?」
なんだ…バレたか…
「ばかだよ…そんなに好きなの?相葉さんのこと…」
一生懸命、顔を横に振ったけど、頭をがしっと掴まれた。
「ばーか…わかるんだよ…俺には…」
ニノも泣きそうな顔してた。
「ごめん…俺…」
「…いいよ。俺、アンタに利用されてやるよ…」
ちゅっとニノがキスをした。
「俺のものになれよ」
また、抱きしめてくれた。
「代わりでいいから…俺のこと、使えよ…」
「ニノ…」
「今は、好きじゃなくていいから…」
「いいの…?」
「いいよ…」
そういうと、俺の顔を覗き込んだ。
「ごめんね。”俺が忘れさせてやるよ”なんてかっこいいことは、言えない」
「え…?」
「俺は、翔さんをずっと忘れられなかったから…だから、そんなかっこいいこと、言えないんだ…」
「ニノ…」
「だから…アンタが忘れるまで、付き合うよ…」
ニノが俺の手をぎゅっと握った。