第5章 レイヴンscene2
「翔くんっ…」
ドアから入ると、ツカツカと俺の方に歩み寄ってくる。
俺を見下ろすと、ふっとバカにしたような笑みを浮かべた。
「もう、ニノに乗り換えたの?」
ニノの手がさっと俺の顔からどけられる。
「言っとくけど、雅紀は来ないから」
「は?」
ニノが立上がる。
「俺はアンタにも来るなっていったんだけど」
「部外者は黙ってろよ」
翔くんが睨むと、ニノは一瞬怯んだ。
「潤、悪いな。もう、わかっただろ?雅紀、俺んとこにいるから」
「…好きにすれば…?」
「はぁ?そんなこと言って、こうやってわざわざ救急車で運ばれるような真似して…」
俺の手首を握った。
「まだ未練あるのバレバレなんだよ…」
真剣な顔で俺の目を見た。
「ねえよっ!好きあってんだろ?好きにすればいいよ…」
「ふふ…なんだ…聞き分けよくて、がっかりだよ…」
翔くんがベッドに手をついて、俺の顔の近くまで顔を寄せる。
「でもさ、もう飽きちゃった」
「…は?」
「だから、引き取ってよ。あいつ、しつこくてさ」
「なに、言って…」
「だーかーらー、俺、いらないの。雅紀。潤に返すから」
「い…いらねえよっ…!」
そう言ったのに、翔くんはふっと笑って立ちあがった。
「俺、恋人できたんだ」
「は…?なに…?」
翔くんがニノの腕をとった。