第5章 レイヴンscene2
そのままリビングに戻ると、スマホに着信ランプ。
見てみると、ニノからで。
折り返してみたら、すぐに出た。
『あ、潤?』
「なぁにぃ…?」
『…酔ってるの?』
「別に…」
『…今どこよ?』
「家だよ…」
『え…?そうなの?』
「なんだよ…」
『だって相葉さんの車、翔さんちに止まってるから。てっきり一緒だと思って…』
「え…?」
少しずつ意識が遠のく。
『もしもし…?潤?どうした…』
雅紀…
翔くんなの…?
あの移り香…翔くんだったの…?
酷いよ…酷い…
ガタンと大きな音を立てて、ワインの瓶が落ちた。
耐えられなくて、床にしゃがみ込む。
トクトクと溢れるワイン。
じわじわと俺のジーパンを濡らしていく。
両手で顔を覆わないと、大きな声で叫んでしまいそうだった。
「雅紀っ…雅紀っ…帰ってきて…」
そのまま目の前が真っ白になった。
もう、忘れたい…
なんで…?
なんで翔くんなの…?
だって、あんなに優しく相談に乗ってくれたのに…
抱きしめて、電話してこいって言ってくれたのに…
酷いよ…酷い…