第5章 レイヴンscene2
ごめん…潤…
止められなかったんだ…
本当は、いつものように帰すつもりだった。
でも…止められなかった。
雅紀が…
なんでもいうこと聞いてくれるって言ったから。
絶対叶わない願い。
俺のものになって…
俺だけのものになって…
一生、言うつもりなんてなかった。
一生、俺は日陰で雅紀を愛していくって決めてた。
でも、止まらなかったんだ…
俺を愛撫する手。
乱れる俺を見つめる目。
優しく微笑む頬。
俺を突き上げる度に揺れる髪。
抱かれると、俺に吸い付く褐色の肌。
汗ばむ首筋。
靭やかな足。
俺を包む、細い腕。
全部、全部俺のものにしたくなった。
離したくなかった。
離されたくなかった。
まさか、雅紀が応えてくれるなんて思わなかった…
だって、この思いは一方通行だと思ってたから。
俺だけが雅紀を愛していると思っていたから。
雅紀が俺を愛してるなんて…
思ってなかった
「翔…くん…?」
「あ、ああ…ごめん…」
そっと潤の身体を離した。
「いつでも相談乗るから…」
俺は、この優しい友人を泣かせてしまった。