第17章 正月太りには気をつけろ
天音side…
私はさっきから何を言ってるんだろうか…。
ほら、銀さんも困ってる。言わんこっちゃない。
私達はあれから何も話さず、というか私の場合は話せず…。目的も無いのにただひたすら歩いている。しばらく歩いていると神社らしき所まで来た。階段の最上階であろう所から光が漏れている。きっと年越しをあそこで過ごした人達が賑やかにお祭りでもやってるのだろう。家族や友達、恋人同士でそれぞれ楽しんでるんだろうな。そんな事を考えていた私は無意識のうちに止まっていたらしい。
銀時「なんだ、気になんのか?」
『へ?あ、いえ、ごめんなさい行きましょう。』
銀さんの声で我に返った私は謝罪の言葉と共に歩きだそうとした時いきなり銀さんに手を掴まれてそのまま階段を登り始めた。
え、もしかして神社に向かってるの?
私そんな行きたそうな顔してた!?がっ、がめつい…。
というか、あざといぞ私……。
『あ、銀さんいいですよ、銀さんそういうの好きじゃないですよね?』
銀時「俺がどうとかじゃなくて、お前が行きたそうだったから行くんだよ。ゴチャゴチャ言ってねェでさっさと行くぞ〜。」
どうしてこの人はこういう時に限って何一つ文句言わずに我が儘に付き合ってくれるんだろう。どうしてこんな私の事を好きだと言ってくれたんだろう。
私は繋がれた手の温もりを感じながら階段を登りきるまでずっとそんな事を考えてた。