第17章 正月太りには気をつけろ
銀時「なに?そんなに銀さんの事知りたい?」
『…つくづく思うんです、私本当何も知らないなって。』
いつもなら顔を真っ赤にして否定するのに、今回は表情が一切変わらず曇ったままでそう言う天音に銀時は少し驚く。完全な返答にはなっていないものの、表情や言葉から落ち込んでいる事など一目で分かった。
銀時「な、なんだ、どうしたんだよ。」
『いや、ただそう思っただけです。私が知ってる銀さんなんて、きっとごく一部なんだろうなって。そう思ったらなんか寂しくて。』
銀時(え。何この子。一体何が言いたいわけ!?)
心の中でそう叫ぶ銀時。やけに積極的とも言えるこの言動には本人も内心驚いていた。いくら寂しいと思っているのが事実だとは言え、遠まわしにもっと銀時の事が知りたいと、それは銀時の事が好きだと言っている以外の何物でもない。だが銀時はいつもの天音とは違うため、まともな判断が出来ずに一人心の中で葛藤していた。
銀時「あ、あのさぁ、ほんとどうしちゃったの?なんか様子変だぜ?」
『で、ですよね、変ですよね。ご、ごめんなさい。』
何故かぎくしゃくし始める二人。
再び気まづい沈黙が天音と銀時を囲んだ。