第44章 通しリハ
相葉視点
「ビスケットちょうだい」
掌を伸ばす。
本郷「食べるんですね」
日翅ちゃんが肩を落としてふうとため息を付く。
(何が ふう だよ 顔ニヤケてるぞ 嬉しいくせに…)
本郷「あんまり食べ過ぎないようにしてくださいね」
笑顔で袋を差し出す。
(単純なヤツ)
『 くん 聞こえる?』
肩にかけていたイヤモニから松潤の声が聞こえた。
(あ!潤ちゃんだ!)
「はいはい 聞こえるよ」
急いでイヤモニを耳に入れる。
Mモニ『ジャンプの所だけど…』
(ジャンプ? あぁ 昨日ニノが指摘した所だね)
「うん。分かった。気を付ける!」
Mモニ『まだ、何も言ってないよ?』
少し困った時の声の潤ちゃん。
「ふふ『気合い入れ過ぎて、飛び過ぎるな』でしょ?もう、分かってるって!」
Mモニ『ホントに?』
もっと心配そうな声の潤ちゃん。
「大丈夫!ちゃんと足で飛んで、体の重さで着地するから!!」
Mモニ『ケガしないでね?』
さらに心配な声の潤ちゃん。
(もう いつも強気なのに、こうゆう時だけ 超心配性)
「もちのろんです!!」
両手を腰にあてふんと胸を張った。
スタッフ「メンバーの皆さん集まってください」
スタッフがみんなを呼ぶ声。
「呼んでる いくね」
(最高のコンサートにするために 俺は頑張って練習したんだ
俺はできる!!)
スタッフ「今 メインステージではファイヤーダンスのリハーサルをしていますので…
ジャンプアップは今日はしませんので、合図があるまで台の上でお待ちください」
(なーんだ ジャンプなしかぁ)
N「🎶やさしさに触れつトキが…」
柱に寄り掛かって俺を見ながらニノが歌い始めた。
「今から歌うのって“モンスター”だよ?」
N「ええ。分かってますよ?今はこの歌の気分なんです…」
シレーッと言うニノ。
「俺の“マイガール”」
N「あなたのじゃなくて、嵐のよぉ!」
ハンっと顎を上げるニノ。
(ふふ 気持ちが上向いた! これってニノの優しさなのかな…)
Mモニ『おまたせ!!メンバー台の所でスタンバって!!』
潤ちゃんの声がイヤモニから聞こえた。
S「行きましょっか!」
翔ちゃんが動き出す。