第44章 通しリハ
相葉視点
M『映像入ります メンバー着替えです』
「はああああぁぁ」
体の力を一気に抜く。
S「次は Monster だね」
翔ちゃんが衣装を脱ぎながら近づいてきた。
「そうだね 次も沢山踊るぅ」
大きく背伸びをする。
(着替えて、ちょっとなんか食べて…)
「ね!翔ちゃんもなんか食べる?」
一緒に歩いている翔ちゃんの方を向く。
翔ちゃんは一点をジッと見つめて立ち止っていた。
「翔ちゃん?」
声かけても反応がない。
「大丈夫?」
翔ちゃんの顔にめいっぱい近寄る。
S「ん… 大丈夫 だよ?」
焦点が合った翔ちゃんはゆっくり首を傾ける。
S「ってなにが?」
目に力が戻って聞き返してきた。
「ふふ 翔ちゃんの顔に戻った🎵 さぁ 着替えよぉお!!」
翔ちゃんの後ろに回って背中を押し始める。
S「押すなよ 歩きにくい!!」
よろよろ歩きだす翔ちゃん。
「いいから いいから ほら 前見て!」
(大丈夫。 俺たちがいるよ 俺たちはいなくならないよ…)
吉桜「お疲れ様です!」
ステージ下で翔ちゃんのマネが待っていた。
S「ああ…あ!何か温かい飲む物ちょうだい」
翔ちゃんがオーダー入れる。
吉桜「わかりました! 相葉さんは?」
俺にも笑顔で声をかけてくれる。
「俺? 俺にもくれるなら 同じ物でいいよ」
(気が利くね)
吉桜「すぐ お持ちします!!」
バタバタ走って行く吉桜くん。
「元気だなぁ…日翅ちゃんもあーだったらいいの…」
本郷「俺も元気ですよ…」
背後に日翅ちゃんが現れる。
「ありゃ、聞こえた?」
本郷「聞こえますよ。
ずっといますから…せっかく色々用意してたのに…」
背後でブツブツ言っている日翅ちゃん。
(なんなのさ ブツブツ言って…)
振り向かず今、着ている衣装を脱ぎ始める。
本郷「ほうじ茶に ビスケットに…」
背後でゴソゴソ動いている日翅ちゃん。
吉桜「どうぞ…ホットレモンです」
申し訳そうな声の吉桜くん。
「ありがとう」
吉桜くんに方に体を向け、湯呑を受け取る。
本郷「ほんと わざわざ ありがとう!」
刺々しい日翅ちゃんの声。
「はは ごめんね」
吉桜「いえぇ…」
ペコっと頭を下げ離れていく。