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ファンタジー、だからね?

第1章 ファンタジー、だからね?


(よかった、仕事のことじゃないんだ。...って、え?)
「それでは、一体どのような...。」

仕事の件ではないことはホッとしたけど、私と社長にプライベートでの接点なんて0に等しい。上司からの声掛けで半ば強制的に連れられた食事会に社長がいらっしゃっていたことは何回かあるけど。
仕事に関する報告は上司がほとんどするし。
考えれば考えるほど私の脳内では、該当する出来事がなかったか取り出しては違うと消去されて、思い当たる節が本当にない。
そんな私の様子に社長は不敵な笑いを浮かべた。

「考えてもわからないだろう?」

「申し訳ありません。仕事のことではないとなると、私には検討がつきません。」

だろうな、と一言つぶやくと社長はスッと立ち上がり、どこかに向かうのかと思えば私の隣に座っていた。
あまりに突然かつ不可解なこの状況に、私は完全に動揺してしまっている。
鼓動が聞こえてしまいそうなくらい大きく胸を打っている。

私はすぐそばにいる社長の顔どころか、視線を向けることすらできないままでいた。

「お前には俺が今何をしようとしてるか、わかるか?」

「えっ?」

(今の聞き間違いじゃないよね?社長が、お前って...)

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