第2章 ~第二章~二人の想い
「もう、ルイの分がなくなっちゃう…!!」
そう言って、私がパンの入っているバスケットをひょいっと取り上げるとシドは眉を寄せた
シド「なんだよ、ケチケチすんなよ。ジルからの依頼を片付けて来たせいで、俺は腹が減ってんだよ」
「でも、せっかく作ったのに…」
そう言って、私が眉を下げるとシドは大きな溜め息をついた
シド「あー…めんどくせぇな…んな顔すんなよ…ちょっとからかっただけだろ?…それに結局、前に来た時は報酬をもらいそびれたしな」
「前に来た時…?」
シド「プリンセスのキスが報酬だって言った後に、お前らのキスを見せつけられた時だよ。そんなの見せつけられても、何の得にもならねー…」
そう言って眉を寄せるシドを見て、その時のことを思い出し、赤くなった頬を隠すように私は俯いた
シド「仕方ねーな…ちょうど、あいつもいないし今日こそ報酬をもらおうか、プリンセス」
「え…?」
シド「まぁ、この食事に免じてキスは許してやるから、そこのスープを俺にも一口、よこせよ」
そう言ってシドはテーブルに手をつき、私を囲うようにして見下ろした