第1章 A×S【不規則な】session 1
相葉side
…返信、ないや。
そうかあ。
やっぱり、コクったら嫌われたかな。
嫌だな。翔ちゃんとあの頃みたいに笑い合いたい。
高校に進学したら全然つまんなくて。
それは翔ちゃんがいないからなんだって
気付いたのは最近。
翔ちゃんが一人の人として好きなんだって気付いたのは
中学校の文化祭のとき。
女子に花火に誘われて、
コクられてた翔ちゃん。
『受験に集中したいから。』
そう言って断ってたっけ。
…じゃあ、受験が終わったら
その子と付き合っちゃうの?
…そんなの、嫌だ。
あの可愛い笑顔を独り占めするのは
俺だけでいいんだ。
具合が悪いときも気付くのは俺。
日直を変わってあげるのだって俺。
あの子に翔ちゃんは
どうしても渡せない。
それくらい大切なものなんだ。
…でも、気付いたときは
もう遅かった。