第2章 ショート集
大野side
「そんな怒んなよ。」
「ばかばかっ!」
おいらが悪いんだけどさ。
にのとの約束をすっぽかして、
翔ちゃんと飲みに行った。
にのとは毎日一緒にいるから
いいかなって思って。
…帰ってきたのは夜中の一時半ごろ。
にのはソファーで泣きながら
おいらを怒鳴り付けてる。
「今日ってさ、
なんかあったっけ?」
「…最っ低。」
にのはそう言って、
寝室に籠ってしまった。
…あーあ、なんかあったっけえ?
卓上カレンダーが目に入って、
そこを見てみると、今日…というか
昨日はおいらたちが付き合って三年の記念日だった。
「…にの、ごめんね。」
「カレンダー見て思い出すとか、
あんたもまだまだだね…。」
にのはため息をついて
おいらを見た。
「…ごめんな。」
「許さないし。」
にのはそう言って
俺のネクタイを引っ張り、
唇を押し付けるようなキスをした。
三年目も、こんなおいらだけど
よろしくね。にの。
ーENDー