第2章 ショート集
俺はその笑ってる顔に弱いから
恥ずかしくて顔を逸らした。
「まぁーくん?
照れちゃったのぉ?」
おもしろそうにけへけへ笑うにの。
だーかーらー…。
100%、にののせいでしょ?
「さ、寒いからだよ!
寒いから顔とか耳が
赤くなってんだょ…。」
最後の方にいくにつれて
声が小さくなってく。
「ふぅん、そっかぁ。」
にのはポケットの中で握っている
俺の手をきゅっと握った。
「…なんだよ。甘えん坊さん。」
「……こんなこと言ったらさ、
困るかもしんないけど…」
にのは立ち止まって、
俺から手を離した。
「好きになっちゃった…。
責任取ってよね。」
…好きって、つまり、その――。
「え、えええ!?」
「そんな驚かないでよ」
またけへけへ笑い始めるにの。
…もー。
人の気も知らないで~…
「…ごめんね。急に。
ほら、送ってよ。」
また手を差し出したから、
俺はその手を握った。
にのはぐいぐい引っ張る。
にのの無防備な背中に
俺は抱きついた。
「まぁ、く…?」
「…にの、好きになっちゃった…。
責任、取ってくれるよね?」
「…え、それって…」
「そーゆーこと。」
にののうるさい唇を
俺は唇を塞いだ。
ーENDー