第1章 A×S【不規則な】session 1
櫻井side
「翔ちゃん、覚えてないの?
ほら、保育園児のとき…。
おままごと…で、キスしたじゃん?
俺すごく嬉しかったんだよね。
それが俺たちのファーストキス。」
「そう、だっけ?」
「覚えてないの!?!?」
「ごめん。全然覚えてない。」
…保育園?おままごと?
全然覚えてない。
俺が必死に考えてたら、
雅紀の手が俺の手の上に置かれた。
「覚えてないなら、
再現してあげる!」
「は!?いい、いらない!」
俺が詰め寄ってくる雅紀から
逃げようとしたら雅紀が俺から
すっと離れた。
…あれ?
一気に重みが消えたから、
俺はそのままカーペットに
寝転ぶようになった。
「いってぇ…」
背中を強く打ったせいで、
じんじんと痛む。
「あ、ちょ、雅紀!」
雅紀が俺を抱き上げて、
優しくキスをした。
恥ずかしくて、
顔が赤くなる。
「あれー?
翔ちゃん可愛いー♪」
…くそ。
俺はケラケラ笑ってる雅紀に
不意打ちでキスをしてやった。
「…え?ちょ…。
めっちゃ恥ずかしい…。」
雅紀が顔を赤くするから、
こっちまで恥ずかしくなった。
…畜生。
「翔ちゃん、もう一回!」
「馬鹿っ!やんない!」
あーもう…。
雅紀との恋は…
なんか、難しそうです…。