第1章 A×S【不規則な】session 1
「翔、相葉さんと喧嘩したの?」
「んー、あー、っぽいな。」
ふぅんって言う和也。
「あ、これから時間ある?」
「暇だけど?」
「じゃあ、俺んち来ない?」
…どうせ、このまんま帰るなら
和也んち寄ってった方がいいか。
「…ん、行く。」
「じゃあ行こっ!」
和也は可愛らしく微笑み、
俺の手を引っ張る。
…なんだろう。
雅紀の時とは違う、
この気持ちは。
俺を慕ってくれる和也も、
もちろん好き。
だけど…。
「翔?」
「ん?」
「なに、考えてるの?」
「あ、いや、別に…」
和也は立ち止まって、
俺に正面から抱きついてきた。
そして、ちょっと背伸びして、
触れるだけのキスをした。
「…は?ちょ、おま…」
口元を押さえ、
一歩後ろに下がった。
…え、今のって…。
「…翔、好き。」
「え、あの…」
「俺は…翔がずっと好き。
…なのに、相葉さんばっかりと…」
…状況が理解できない。