第5章 ◇8/10Birthday(ラビ)
「南…これ、瓶の口にビー球が詰まってんだけど」
「それがラムネの蓋だからね。これは上に玉押しの器具乗せて…こう、ぽんって押すの!」
「おおっ…って吹いてる吹いてる! こっち向けんなって!」
「あ、ごめん」
「焼きそばとたこ焼きと焼きトウモロコシと…あと林檎飴とかき氷っ」
「南、なんかアレンみたくなってんさ…そんなに食うタイプだったっけ?」
「こういう場所では食べたくなるものなんだよ。ほら、ラビも食べてみてよ美味しいから」
「んー、じゃあ………あ」
「…あ?」
「その大量の食料で、オレの両手塞がれてますから。口ん中入れて。あ」
「……」
「…んな照れんなさ。こっちが逆に照れるから」
「べ…別に照れてなんか…はいどーぞっ」
「むぐ…っ熱ィ!!」
「あ、ごめん」
「なぁなぁ、オレもあれ付けてみたいんだけど」
「あれって…お面?」
「おう。なんか祭りに参加してる!って感じするじゃん?」
「ふふ、そう? じゃあ私がお面選んであげるよ」
「マジっ?……って南さん、それ…」
「うん? はい、兎のお面。これ以上ラビにぴったりなものないでしょ」
「だからオレ兎違うから!」
「はわー…ラビ、射的の腕前あったんだね…凄い」
「まぁ、これくらいなら普通にできるさ。南、なんか欲しいもんある?」
「取ってくれるの?」
「おー、なんでも言ってみ♪」
「じゃあ…あれ」
「………試験管セット?」
「え、何その目」
「…色気ねー…」
「う、煩いなっ」
「南、なんさあの日本画みたいな模様の小屋」
「ああ、あれは……うん」
「?」
「…お化け屋敷です」
「……よし、次行こう」
「だね!」